2008.11.07|自由奔放すぎたスペインひとり旅
Sevilla (セビリア)での忘れられない数々の体験の思い出もまだ色鮮やかに頭に残る中、今、私はバスの中、そしてこの国は、スペインではなく、モロッコである。
確かに、まだ日本にいた頃は、“スペインに行ったら、南方を旅行する間にモロッコに行ってみたい”とは思ってはいたが、それは、叶わない事がある意味前提の話だった。
そして、モロッコにいる今も、スペインを忘れたわけではない。こうして旅行していて気づいたこと、それは、小(短)旅行と長期間の旅行では、頭の中で思い出す事が異なるということだ。
例えば、小旅行(5~7日間)の時には、たいてい、日本での事を考えたり思い出したりしながら、旅行先でみるもの、出会う人々、体験する事柄は、【消化する】というか何というか、(あとからあとから目に入ってくるものを鮮烈にとらえるが)振り返る間もなく旅は終わりを迎える。
それに対して、長期(2ヶ月)の一人旅となると、考える時間もたっぷりあり、さらに出会いや経験を“消化”していく時間がたっぷりと与えられる。そして、日本のことに関して言えば、いわば日本での生活、日本に住んでいた事を忘れてしまうというか、自分は今、新たな開拓地を求めて旅をしているという気分になる。
そして何より、今回驚いているのは、日本の事より、これまでスペインで訪れた土地、出会った人々、体験した事を常に思い起こし、思い出に浸っている自分がいるということだ。
元々、私はホームシックにかかる事がない人間だというのもあるのかもしれないが、日本は必ずまた戻る土地だからだろうか、日本に対するなつかしい思いは無いが、かわりに、スペインの様々な土地で良い人々に会ったり、素晴らしい歴史的建造物を目にすると、そこを離れることを思うととてもつらくなる。しかし、その体験を繰り返していくと、それらが積み重なり、塗り替えられていくのだ。
不思議である。
旅
素晴らしく心地良い響きだ。