#23 My First Day of Silence

自由奔放すぎたスペインひとり旅|2008.10.14|

この日は、スペイン領内としては最高峰であるテイデ山に行くことができた。
そう、‘静寂’の中で――――

昨夜、Donとこの事について話し合ったのだが、今日は実際に、一日中お互い一言も発することなく一緒に過ごしてみることになった。

朝10時頃に出発し、車でテイデ国立公園へと向かった。着いたらまずはコーヒーを飲み、のちほどランチを食べてから、テイデ山を目指した。山へはケーブルカーに乗って行った。山を登る途中、ポーランド人の観光客と出会い話をしながら歩いたのだが、とても優しくて良い人たちだった。

ほんのひと時の出会いであったのに、この時、この方達に教わった、ポーランド語で「ありがとう」という意味のdziękuję (/ʥɛɳkujɛ/)は、今でも私の記憶にしっかりと刻まれています。

ケーブルカーに乗った後は、火山由来の奇岩群であるガルシア岩へ。テイデ山とガルシア岩…そのすべてがとても美しく、雄大な自然にただただ圧倒されるばかりだった。

帰りは車で(私お気に入りの)La Orotavaの街を通り、アパートメントに戻ったのは20時頃。前の晩の残り物のグリーンカレーを夕飯に食べた。

Donと私が今日一日Day of Silenceを体験しての感想・考察を書けるよう、アンケートを作成した。

さて、このDay of Silence、実は今後も続いていくのですが…

Donと私が真面目に記入し、後に意見交換して語り合ったはずのそのアンケートの内容は、残念ながら、もう証拠としてどこにも残ってはいません。

もちろん、この時は旅の日記をつらつらと書き留めていたというだけで、このようにブログとして世に出すつもりではなかったものの、まだ大学を卒業してから数年も経っていない若い自分が長旅の中でこれだけ興味深い体験(実験)をしていながら、その分析・考察を書いたものをどうしてこの旅のジャーナルとともに保管しておかなかったのかが今となっては不思議です。

ですが、まあそれもそのはず、まだまだ当時は気軽に携帯やタブレットなどにメモを残したり、USBなどのメモリを持ち歩いたりする時代のはるか前でしたので、私はノートパソコンもメモリも携帯電話も何も持たずに旅をしていたのです。現に、このアンケートを作成したのも、Donのパソコンを借りてのことでした。

このブログを書き始めてから、旅の道中の自分の思いや考えについてもっともっと深堀りしたいと強く思うようになったのですが、当時の私はどうやら、この一人旅の途中で自分の身に何かが起こってしまった場合のことを想定して、絶対に自分しか読まないはずの旅日記に至っても、決して全てを赤裸々に綴ることはしなかったようなのです。