自由奔放すぎたスペインひとり旅|2008.10.28
前回からの続き…
そこには、光り輝く美しい装飾に彩られた何枚もの小さな絵がぎっしりと敷き詰められたパネルがあり、マリア像はなかった。
マリア像が見つかった時の伝説を絵にしたものらしかった。
その解説を終えると、少しの沈黙に続いて、僧侶がその豪華な装飾に静かに手をかける。
すると、ゆっくりと、カラッ…カラッカラ…という音が響いた。
そして、実にゆっくりとNuestra Señora de Santa Maríaが姿を現した。
淡いピンクの衣装には、華やかな宝石の装飾が付いており、ライトに照らされてきらきらと光り輝いていたが、そのドレスの中で、真っ黒なマリアと小さなイエスのそれぞれの顔が、真っ直ぐ前を見据えていた。
そのあまりの神々しさに圧倒されて、自然と涙が溢れた。
そのマリア像を目にしている間、そして、すべての解説が終わり僧侶に別れを告げて部屋を後にしてからも、しばらく涙が溢れて止まらなかった。
その後は、バスが来る16:00まで時間があったので、まずはお店を見た。もう一度、遠くからでも教会の中でマリア像を一目見たかったので、教会の前を歩いていた。襟元が白いメガネのお兄さんに、教会は今入れるのかどうか訊いてみると、“Siempre abierto.”という言葉が笑顔とともに返ってきて、その言葉に、再び涙腺が熱くなった。
そして、教会に入り、静かに見学をした。1時間弱くらいかどうか、はっきりとは覚えていないが、地元の人々も観光客もごくわずかであった為に、教会の中はほとんど私一人であった。沈黙に限りなく近い教会の中で、静かに“何か”と向き合ってみた。とても厳かで、音のない時間…
教会を出た後もまだ時間がたっぷりあったので、教会前の広場にあったレストランの一軒に入った。Mesón Cerezoというところだった。
そのレストランにはかなりの高級感が漂っていたので、ワイン(グラスというよりむしろデキャント!)とパン(美味しい!)と3コース(で、なんとパエリアを1皿目としても選べる!)で、€8.90と安かったのでとても驚いた!!こんなに安くて良いのか?!というほど良いコースだった。パエリアなどの食事はもちろんの事、デザートのプリンまで、最高においしく感じられた。
そのレストランは、ホテルに併設されているらしく、オーナーの奥さんは日本人だとウェイターさんが教えてくれた。日本語の名刺をもらった。(そのウェイターのお兄さん経由で。)
行きのバスの中ではひどく雨が降っていて、Guadalupeに到着する頃には止んでいたが、それでも帰りのバスを外で待つ間は、とっても寒かった!
無事にバスに乗り込み、16時過ぎにはGuadalupeを出発した。乗り換えの町、Talavera de la Reinaに着いて、少しだけEl Corte Inglés(←デパート)を見てから、19時のバスに乗った。
トレドに戻り、その後は、トレドの町を夜に散策して、初めてとなりのインターネットカフェに入ってインターネットを使った。スタッフのお姉さんは、とっても優しく対応してくれた。そして、なんと、例のバスの運転手さんからEメールが届いていた!とっても嬉しかった。
夜は、部屋に戻って早めに寝るつもりが、結局テレビで『ヴァン・ヘルシング』をやっていたり何なりで、2〜3時近くに寝ることになってしまった。